生命保険に加入するメリット・デメリット
生命保険に入ってれば死んだり病気になった時にお金が貰えます。コレ唯一のメリット。安心を買うってやつ。 がん保険加入後に実際がんになったらお金もらえて保険入ってて良かったー治療費賄えるわー的な感じ。
デメリットは生命保険が役に立つかが不確定なところ、掛け金の流動性が著しく低いところ、解約による元本割れが生じるところ。
保険に入ってても使う場面が無かったら損。大半の加入者はコレに該当します。でないと保険会社潰れてるからね。 あと掛け金は貯金のように引き出したり出来ないので、金額によっては家計を圧迫したり何か買いたい時に資金の捻出が難しくなったりする。
解約返戻金がある保険でも途中解約すると払った分の何割かしか戻ってこない。家計が大変で解約するパターンが一番悲しい。
メリット・デメリットあるけどとりあえず保険は金融商品であることを頭に入れておいていただきたい。 金融庁の管轄のもと保険会社は営業している。保険に加入することは証券会社で株や投資信託を買う行為と同じだ。 金融商品にリスクは付きもの。それを忘れちゃいけない。
ちなみに共済は管轄が別なので混同しないように。では主な終身死亡保険について見ていきましょう。
終身死亡保険
加入期間中ならいつ死んでも遺族にお金が入る保険。 毎月でも毎年でもきちんと保険料を納めている人なら確実に死亡保険金がもらえる保険です。
最もかけ損にならなそうなイメージの保険商品で生命保険会社の利益が薄い商品でもあります。 が、保険会社はきちんと利益の計算をしているので赤字になることは無いでしょう。
終身死亡保険の加入目的(保険を売る側のセールスポイント)はいくつかあるけど代表的なものは大体以下のとおり。
- 葬儀費用を賄うため
- 老後資金や教育資金の積み立て
- 相続税対策
終身死亡保険払込期間が終わると払い込んだ金額よりも解約金の方が大きくなるという性質があるので 利率の良い貯金みたいな使われ方が一般的。
では加入目的を一つ一つ見ていきましょう。
葬儀費用に200万準備とかいつの時代ですか?
保険のおばちゃんや営業マンは口を揃えて葬儀費用捻出のために終身死亡保険に加入しましょうと言う。 大体100~200万くらいあったら遺族に迷惑かかりませんよー的なセールストークだね。
まず死んだら100万くらいが必要経費っていう前提がおかしい。 現代において葬儀の形はかなり自由になっておりやり方によって金額にかなり差がでる。
そんで戒名代とか馬鹿なんじゃねぇのっていう風潮が当たり前になってるくらい葬儀ビジネスに疑問を持つ人が増え さらに消費自体が低迷している世の中で自分の死後100万200万を心配する余裕がある人は少ない。
しかし時代の流れとともに葬儀業界も多少なり変化を見せるところもあったりする。
小さなお葬式という会社が有名らしいが通夜とか告別式いらんから火葬だけやる格安プランが増えてきている。 火葬だけプランだと費用は概ね20万以下で出来る。20万なら保険で準備しなくても大丈夫でしょう。
中には棺の準備やら火葬の手続きを業者の力を借りずに全て自分で行うDIY葬という言葉も誕生した。 検索すると5万以下で全て済ませることが出来たという例もある。とは言ってもかなり難易度が高そう。 でも今後このような形式も一般化されるのではないかなとも思ったり。
ちなみに葬儀会社でDIY葬のサポートをしてくれるところもある模様。その場合でも10万いかないくらいだそうな。
https://matome.naver.jp/odai/2139452852265709801
そんな感じで葬儀費用に100万もかからないので終身死亡保険で準備するのは大げさ。加入の必要ナシです。 葬儀費用にビビって終身死亡保険に加入した方、今すぐ解約して浮いたお金を別の事に使いましょう。
忘れちゃいけない補助金
何気に国民健康保険や社会保険から葬祭費の補助金が受け取れる。 国民健康保険の場合は自治体によって違うが大体3~5万円。 社会保険加入者は一律5万円となっている。
申請期間は死亡時から2年間なので全て片付いて落ち着いたら 忘れずに申請しておこう。 ってかDIY葬した人は下手すりゃ実質自己負担0円の葬儀も可能やね。
事前に話はしておきましょう
死ぬ側が盛大な葬式やってほしいと願うなら保険入っとけって感じだが 別に死んでからの自分のことはどうでもいいよって人の方が多いのではないか。 葬式なんて適当にやればいいよって思っている人は 家族にしっかりその旨を伝えておきましょう。 そして必要最小限の葬儀費用を家族に渡し、残りのお金は使っちゃいましょう。
私は遺言に「葬儀費用は最小限に留めるべし」と書いておきたいくらいだ。 死んだら私に金をかける必要は無いw
積み立て目的ではメリットが薄い
基本的に終身死亡保険は払込期間が長い方が払込期間が終了した段階の解約返戻率が大きくなる。 同じ保険でも20歳加入で60歳時点解約と30歳加入で60歳時点解約では20歳加入の方が戻りが大きい。 利率が良い保険商品だと20歳加入60歳時点解約で返戻率が125%になる商品もある。
125%ってすごいやん!と思うかもしれないが40年も資金拘束されることを考えると決して率が良いとは言えない。 しかも40年の間に解約しなければならない事態に陥ったら激しく元本割れすることでしょう。
そして何よりの弱点は複利運用が出来ないこと。 終身死亡保険はあらかじめ経過年数に対する解約返戻金が決まっているため単利の商品という見方が出来る。 しかも払込期間中は常に元本割れ。拘束期間が長い割にあんまり安全じゃない上に見込める利益も薄い。
他の複利の適当な金融商品、例えば年利2%で利息が年1回付くインデックス投信に40年毎月積み立てた場合と比較してみよう。 計算が面倒なので投信の手数料と運用成績を考慮しません。年利2%っていう設定がそもそも低めなので手数料と相殺ってことでw
終身死亡保険の払込期間中の解約返戻金は払込保険料の7割、毎月の積み立て額を20,833円とする。投信の積立額も同様。 これは40年毎月積み立てるとほぼ1000万円になる金額です。
経過年数 | 積立額 | 解約返戻金(保険) | 売却時受取額(投信) |
---|---|---|---|
10年後 | 2,499,960 | 1,749,972 | 2,767,018 |
20年後 | 4,999,920 | 3,499,944 | 6,139,996 |
30年後 | 7,499,880 | 5,249,916 | 10,251,637 |
40年後 | 9,999,840 | 12,499,800 | 15,263,705 |
複利の偉大さが一目瞭然。アインシュタインもビックリです。 高利率の単利よりも低利率も複利の方が断然お得ってことやね。 多少投信の運用成績が悪くても長期的に見たら余裕で増えますです。 インデックス投信の方が老後にウハウハ率が高いね。
では10年積み立てて教育資金目的はどうか。 払込期間が短いので当然利率は下がります。返戻率108%いけばいいんじゃないですかね。
もし多めの積み立てにして後に住宅ローン等が重なってしまうと家計が苦しくなりかねない。 それなら大した返戻率じゃないから素直に流動性の高い貯金で良いんじゃないかな?
ってなわけで積み立てとしての終身死亡保険はかなりイマイチということで必要ナシです! 積み立てに終身死亡保険使ってる人、特に若い人はさっさと解約して複利パワーが働く金融商品を選びましょう!!
相続税気にするほど一般市民にお金は残りません
生命保険で相続すると1人500万円まで非課税になる枠があります。 が、小市民は遺すお金なんて気にしていられません。むしろ子どもたちもお金相続されるなんて微塵も思ってないはずなんで気にせずお金余りそうならパーッと使っちゃいましょうw
しかしどうしてもお金余って死にそうなら早めに生前贈与しときましょう。 生前贈与なら年間110万までは非課税なんでね。 しかも生きてるうちに感謝されるんだから尚更良いじゃんって話でね。まぁそんな金無いんですけどね。
だので死んでまで税金気にする必要ナシ!金持ちは残さず使いきってから逝ってくださいまし!!
私は終身死亡保険には入らない
正直な話、終身死亡保険は生命保険の中で一、二を争うほどいらない保険だと思うのよ。 まず死亡保険金額が低いから保険としての機能が弱い。 それ以外の使い方も保険が無くても何とでもなるんだわね。
でもおそらく損しなさそうっていうイメージで最も加入率の高い保険でもあると思う。 損しないのは構わないけど入っててもそんなに得もしないのはいかがなものかと。 得しないものにお金を長期間奪われるってのは結構リスク大きいっていうかデメリットでけーなぁと個人的に思うのです。
もし皆が入ってるからとか特に目的もわからずに促されるままに終身死亡保険に加入してる方は今一度、本当に必要なのか検討してみると良いですよー。